偶像少年

 

 

 

 

 

 

 

天使、みたいだと思う。

黙って寝ているときの平山さんは、凄く綺麗。

凛としてて、それで少し紗がかかったようで。

本当、天使みたい。

昨日、平山さん本人に笑顔でそれを伝えたら、「死ね」って笑顔で返されたけど。

 

綺麗、なんだとにかく。

容姿だけじゃない。

きっぱりと物を言うとことか。

人前で容易く涙を見せないとことか。

黙って痛みを背負うとことか。

凄く凄く高貴で綺麗だよ。

俺なんか、真似できねえくらい綺麗。

 

唇に、そっとくちづけた。

冷たすぎる感触。

どうしてだろう？

この人にキスしたり、抱いたりすると罪悪感感じる。

すごい大きな罪を犯してる気分になるんだ。

貴方が純粋すぎるから？

貴方が年上でジョウシキあるオトナだから？

・・・・・・・・・・多分、両方。

綺麗だよ。

綺麗すぎる。

汚い俺は、何度貴方のことズリネタにしたっけ？

汚い妄想で、何度貴方を汚した？

思いが通じてからも、激しいセックスで何度貴方を泣かした？

綺麗な行為で、何度貴方を泣かした？

 

 

―――――――最近、平山さんは人気があるらしい。

試合見に来てた友達が言ってたっけ？

『なあ、聡太。あの24番のひと誰？すっげー綺麗じゃねえ？オンナみてえじゃん？名前なんつーの？』

平山さんが世間一般から認められて欲望の対象にされる容姿だってことは、とっくに知ってる。

それが誇らしくもあり、腹立たしくもあり。

だから、俺は微笑って言ったんだ。

『あれ、俺の男ね。』

すると、そいつは何を想像したのか、照れたように笑った。

『そっか・・・・・・・・・。あの人はお前のかぁ・・・・・・・。よくあんな真面目そうな人たらしこんだな。』

俺のオンナたらしぶりは、昔っから有名だった。

また、いつものアソビだって思われてんのかな。

『まあ、こんな時代だし。綺麗なら男でもいっかなーって。』

そんな言葉を期待してたんだろうな、多分。

だけど、俺は本気だよ。

もう、くだらないプライドなんてこの人には発動しない。

ただただ、全てを貪るんだ。

獣のように本能で。

ただただ、崇拝するんだ。

綺麗って泣いて崇めて。

ただただ、縋りつくんだ。

捨てないでって額を地に擦りつけて。

其処には、見栄も虚勢もなく。

 

 

―――――――――――貴方への愛しか、無いんだ。

 

 

「愛してる」の曖昧さも脆さも俺はよく知ってるよ。

アソビの女達から貰うそれは、意味なんてなくて。

俺に無意味さしか教えてくんなかった。

だけど、貴方といる今ならよくわかるよ。

「聡太。愛してるって言え。」って貴方が求めるから俺は。

貴方に対する言葉では伝えられない気持ちを込めて切実に

「愛してます。」って言うんだ。

其の言葉聞いた貴方は満足そうに微笑んで

「俺も、愛してる。」

紅くなった顔は、無邪気で純粋で。

俺にはない表情だったよ。

この想いは通じ合ってるって事実を確信して、胸が温かくなったよ。

 

 

 

 

――――――この感情が、『愛してる』って感情なんだ。

 

 

 

 

ああ、もうすぐで、夜が明けますよ。

夜が明けたら、俺はすぐに朝ご飯作りますね。

ふりふりレースのエプロン、お袋から借りたんですよ。

貴方の反応が楽しみで。

きっと、いいリアクションしてくれるんでしょうね。

ご飯は、和食がいいですよね？

貴方、好きでしたもんね。

味噌汁つくって鯵焼いて。

卵は、ダシ巻きで。

メシ炊いて。

漬物切って。

番茶もいれましょうか？

日本の朝って感じですよね。

俺が今日一日、貴方の『主夫』してあげますから。

だから貴方は、起きたらいっぱいいっぱいキスしてくださいね？

 

 

 

 

 

 

――――――――――――ゲロ吐くくらいの甘いキスで、俺を蕩かしてくださいな？

 

 

 

 

 

 

ヲワリ。

 

 

 

 

アトガキ。   そーひら。 そーたさん独白。 てか、ふりふりレースエプロンの聡太って激しく嫌（爆） なんか、そーたが危ない人ですいません。 崇拝・・・・・・（何）